ゲバラの映画を観ました。一部ですが、二部は31日に封切りです。ゲリラ活動中のゲバラが神格化されず、いわばありのまま描かれているところがおもしろいと思いました。27歳の革命に生きるゲバラと、国連で演説するゲバラとの二つの時間が流れ、なかなか時間構成も複雑でおもしろい映画でした。
次に、チェ・ゲバラに関する第二部の 映画「チェ 39歳 別れの手紙」をみました。その印象記です。
峡谷でのゲリラ戦の場面は迫力がありました。銃殺されたゲバラの遺体がヘリコプターにくくりつけられて運ばれていく非人間的な映像に監督の銃殺した政権への怒りを感じました。ところで、ゲバラはなぜ敗北したのか・・?ゲバラの武闘路線が平和共存路線に転換した当時のソ連共産主義と対立し、その影響下にあったボリビア共産党とも対立することで、孤立していったとしても不思議ではありませんが、それだけでしようか。よく民衆に支持されなかったからという意見をききますが、それも結果論で、僕は、キューバ革命を学習したアメリカをはじめとする政権側の徹底したゲリラ対策が功を奏したのだと思います。その対策マニュアルの一つとして、ゲバラの名前を徹底して隠しました。銃殺してからは全く逆でしたが。ゲバラ神話による革命の高揚を防ぐためでした。こうしたマニュアルは今でも形を変えてあるのでしよう。ああ、なんかくらいですね。そんなことよりも、「モーターサイクル・ダイアリーズ」をみればわかるようにゲバラには不幸な人、貧しい人への限りない優しさがあり、その心には敗北はないということですね。 (2009年01月 前田角藏)